◇　還暦ダイバー　海の体験－２　サイパン：ロタの海　◇


カスミチョウチョウウオの大歓迎		海底に建つ慰霊碑		モンツキカエルウオ

　◇　サイパン　◇

　　【訪問】　①２００４年７月～⑪２０１０年６月　１１回　　７６本

東京から南に約２，５００Kmの位置にある「北マリアナ連邦」の島の一つ。南北２２Km,東西９Km。琵琶湖の約１／６の小島である。
サイパンは第二次世界大戦終戦までは日本の信託統治領であった。日本から比較的近いこともあって、多くの日本人が住んでいたこの小さな島に戦争末期には米軍太平洋艦隊によって、多い日には一日で何万発とも伝えられる艦砲射撃が加えられ、全島が焼けの原となった。逃げ場を失った多くの日本人が「自分の魂だけでも故国に帰って欲しい」と願い、日本に一番近い、島の北外れの崖から「万歳！」と叫びながら、次々と海に飛び込んでいった。この地は今、「バンザイクリフ」と呼ばれ、崖の上には沢山の慰霊碑が建っています。
私はバンザイクリフを何度も訪れましたが、この丘に立つと、自然と海に向かって「合掌」し、頭をたれたくなりました。

		バンザイクリフの崖		日本の様々な団体が建てた慰霊碑
★は人気のDivingポイント		どんな気持ちで波間に消えた　風も泣きますバンザイクリフ・碑文より


旧日本軍の司令部跡（洞窟）		司令部前の高射砲		「KYOJYU」と入ったTシャツ/td>

焼け野原となったサイパンの復興を支えたのが、「縫製」産業であったとの事。米国の信託統治領となったサイパンで作られるTシャツやポロシャツといった縫製製品は関税無しで米国に持ち込めたので、日本を始め他のアジア諸国より優位を保てたので、永くサイパンの経済を支えていたらしい。
上の写真の私の「ニックネーム」が入ったTシャツはサイパンのDivingショップが「３５０本目のDiving」に、お祝いに作ってくれたプレゼントです。オーダーメイドのTシャツが簡単に作れる程、縫製産業が盛んだった様だ。
昭和の一時期は日本から一番近い、「南国の外国」として多くの日本人が観光に訪れていた。私がサラリーマン時代にゴルフで訪れた頃は、日本からはJALやNWの定期便も飛んでいて、繁華街のガラパンにはカラオケ店が建ち並び、日本人で溢れかえっていて、観光収入も経済的には大きな支えになっていたとのこと。
私がDivingで訪れた頃、「サイパン旅行：三泊四日」の航空機とホテル代込みの旅行代金は繁忙期を除いた平日は「５万円以下」だった。日本の海が冷たくなる時期を中心にサイパン１１回、ロタ２回と訪れて、ミクロネシアの海を楽しんだ。


Grotto入口に集合		１１０段の石段を下り：洞窟へ		洞窟の入口：一般観光客も多い


岩場からジャイアントイン		洞窟内：下は外洋への出口		深い（24ｍ）方の出口から外洋へ

　【サイパンの海で出遭った生き物】


外洋はカスミチョウチョウウオが乱舞して、ダイバーを迎えてくれる


人慣れしたオヤビッチャもいる		オヤビッチャは女性がお好きか？		お魚さんと戯れる


バンザイクリフの西側の海：イーグルレイ（トビエイ）シティでホバーリングするマダラトビエイ


セグロチョウチョウウオ		トゲチョウチョウウオ		スダレチョウチョウウオ


ハナグロチョウチョウウオ		チョウハン		ミナミハタタテダイ


オニハタタテダイ		マダラタルミ		モンダルマカレイ


ヤマブキハゼ		メガネクロハギ		ワカウツボ（幼魚）


ナンヨウミノカサゴ		海中に咲くバラ（ウミウシの卵）		クマノミ


ハナビラクマノミ		オレンジフィン・アネモネフィッシュ		ダスティア・ネモネフィッシュ


アジの群と出遭う！　群が左に回り、右に回りを何回か繰り返し、最後は綺麗な「アジ玉」の出来上がり

　【サイパン：海中の景色】


スポットライト		テニアングロットを行く		テニアングロットを出る

【サイパン：海底に残る戦争の傷跡】


戦車の残骸も海に		日本軍の輸送機らしい		海底から何を撃つ！


随所に残る弾丸：海から出すと危険		沈船・松安丸		平和の海を行く

　【サイパンの海で学んだ事】

私はDivingを始めた翌年、２００４年に初めてサイパンを訪れました。島の南、空港の正面に私が気に入ったポイントの一つ「オブジャン」がありました。浅瀬を泳いでいった先に岩場があり、その岩場のあちこちに可愛い「モンツキカエルウオ」が沢山いました。臆病者で、近づくと穴の奥に隠れてしまいますので慎重に近づいて顔を見るのが楽しみでした。足掛け７年で１１回サイパンを訪れましたが、７年目には岩場全体が、霜が降りたように「薄ら泥に覆われて」しまい、モンツキカエルウオが一匹も居なくなってしまいました。近くに開発されたゴルフ場から、徐々に泥が流れ込んだのが原因と推測されます。太平洋に浮かんだ小島でも、開発に寄って海は簡単に汚染されてしまう事を知りました。


愛らしいモンツキカエルウオ		モンツキカエルウオの住む岩場		カエルウオ全体像・フタイロカエルウオ

◇　ロタの海　◇

　　【訪問】　①　２００４年２月　　②　２００７年５月　２回　　１２本

サイパンと同じ北マリアナ連邦に属する島の一つで、サイパンから１１０Kmほど西にあり、サイパンより小さい島です。
サイパンと同じく、日本の信託統治領でしたが、大規模な艦砲射撃を受けなかった為、原生林が多く残っています。
サイパンから飛行機で約５０分。小型機が飛んでいます。私も飛行機に乗った体験は沢山ありますが、人生で始めて、搭乗前に全員が「体重を確認」されました。小型機だからかなー？
スコールが多い地で、島が綠で覆われていることもあり、地下水が豊富で飲料水にもなっている。日本の統治時代には「日本酒」が醸造されたとの記録ものこっている。
周辺の海は透明度が良く、天候の良い日は上空の飛行機から海底の沈船が見えると言われています。


乗客全員：体重確認の小型機		島の西側：ハルノン岬		４００本目はロタ

【ロタホール】

一番の人気スポットは「ロタ・ホール」である。パラオやグアム等他の海にも海底のホール、いわゆる「ブールーホール」は存在します通常は洞窟の出入り口が海中にありますが、ロタホールは片面が水面上に出ていて、海底からしか入れない。太陽の位置によっては真に「光の園」になる。海底２５ｍから「光のカーテン」の中を「願い事」を唱えながら水面まで浮上すると「願いが叶う」と言われている。当時は孫の居なかった私は「どうか孫に恵まれます様に」と願いながら浮上！霊験はあらたか！　今は孫が二人います。


水深２５ｍから洞窟へ入る		光のカーテンの中　：　願いを唱えながら浮上　：　願いが叶う

【松運丸】

今一つの人気スポットは「沈船・松運丸」である。終戦時に健在で港に係留されていた輸送船であるが、米軍によって故意に沈められたらしい。撃沈された訳ではないので、船形が保たれたまま沈んでいて、人気の的であった様だが、大型台風で痛めつけられてしまったとの事。島の西側の湾内、砂地の水深３３ｍに沈んでおり、廻りに何もなく潮の流れもあるので、ガイドロープに掴まり、体を水圧に慣しながら徐々に下降。